2025/12/10 15:55

日本には、お正月に歳神様をお迎えして一年の始まりを祝うという伝統文化があり、現代においても大切に受け継がれています。

正月飾りは、新年に家々を訪れる歳神様(としがみさま)をお迎えするための“目印”であり、神様に滞在していただくための「依り代(よりしろ)」とされています。歳神様は一年の初めに訪れ、私たちひとりひとりに一年分の年齢と福を授けてくださる神様で、穀物を司る神でもあります。

農耕民族として暮らしてきた日本人にとって、五穀豊穣の守り神である歳神様はとても重要な存在でした。生きる力や幸せを与えてくれる神様とされていたため、お正月が近づくと門松やしめ縄を飾り、歳神様をお迎えする準備を整えてきたのです。

【しめかざりについて】
しめかざりは新年を迎える伝統行事のひとつで、歳神様をお迎えするための清らかな場所を示す“印”とされます。その起源は伊勢神宮にまで遡るといわれ、「しめ」は「占め」を表し、神様の領域を示す印でした。のちには結界や魔除けの意味も持つようになります。

正月飾りを通して、歳神様をお迎えし、新しい年の実りや命の巡りを祈る儀式が行われます。祖先が見守ってくれる節目でもあり、お正月とは、祖先とともに新しい時を迎える“すべての始まり”の時とされています。しめかざりを飾ることは、日本のふるさとや伊勢神宮への敬意を表す意味合いもあります。

【飾り方について】
飾り方は地域や家によって異なるため、その家々の思いを大切にして飾っていただくのが良いとされます。ここでは、古くから伝わる飾り付けの目安をお伝えします。

12月13日は「鬼宿日(きしゅくにち)」と呼ばれる吉日で、結婚式以外はすべて縁起が良く、新しいことを始めるのに適した日とされています。正月準備を始める「正月事始め」の日でもあります。
現代では、クリスマスが終わる12月25日以降に飾り始める方も増えています。

なお、12月29日は「二重苦」に通じるとして縁起が悪く、飾り付けを避けるのが一般的です。12月31日も「一夜飾り」といって葬儀の一夜飾りに通じるため、良くないとされています。

縁起の良い日として知られるのが12月28日で、末広がりの「八」にあやかって飾り付けに適しているとされます。

歳神様をお迎えする「正月事始め」から、神様がお帰りになるまでの期間を「松の内」と呼びます。この期間は飾りをつけたままで構いません。松の内は地域によって異なり、関東・東北・九州などでは1月7日まで、関西を中心とした地域では1月15日(小正月)までとされています。

日本には、お正月に歳神様を迎えて新しい一年を祝うという、古くからの文化が今も息づいています。

メールマガジンを受け取る

新商品やキャンペーンなどの最新情報をお届けいたします。